大阪府八尾市で幼稚園の送迎バスが歩道に乗り上げて園児と乗務員計8人が負傷した事故で、男性運転手(65)が直前に意識が薄れたような状態になって蛇行運転を始め、添乗員の女性(52)が横から代わりに操作していたことが、捜査関係者や運行委託先への取材でわかった。添乗員はバスを止めるためハンドルを左に切ったという。運転手は「覚えていない」と府警に説明しているという。
八尾署によると、大阪府松原市の私立「星の光幼稚園」の送迎バスは30日午前7時55分ごろ、八尾市萱振(かやふり)町3丁目で歩道の植え込みに乗り上げ、道路案内標識の支柱に衝突。園児6人と運転手、添乗員の計8人が病院に搬送された。全員軽傷とみられるという。
運行を委託されている人材派遣会社の役員によると、添乗員は事故後、「運転手の意識がないように見えた。歩道に人がいないことを確かめた後、バスを止めるためにハンドルを切って植え込みに衝突させた」と話している。事故直前にも添乗員は無線で「バスが蛇行している。様子がおかしい」と幼稚園に報告していたという。
同社によると、運転手は4月に入社。この日の朝の点呼で風邪のような症状を訴えたが、運転手は「眠くなるといけない」と言い、薬の服用はせずに出発したという。役員は「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と話している。