赤ちゃんの肺炎や気管支炎の原因になるRSウイルス感染症が流行し始めている。この時期の患者数としては調査を始めた2003年以降最多。例年は秋から冬にかけて流行のピークを迎えるが、すでに11月並みの流行規模で、専門家は注意を呼びかけている。
RSウイルス感染症は2歳までにほぼすべての赤ちゃんがかかる。症状は発熱やせきなど一般的な風邪と同じで、大人は軽症で治ることが多いが、早産の赤ちゃんや心臓や肺に病気がある赤ちゃんが感染すると、重症化して入院が必要になることもある。
国立感染症研究所感染症情報センターによると、全国の指定医療機関から報告された患者数は最新1週間(8月27日~9月2日)に1998人。この時期では最多だった昨年の1242人を上回った。1歳以下が76%を占め、福岡、東京、大阪の都心部のほか宮崎や鹿児島などで増加が目立つ。
(2012.9.21 朝日新聞から転載)