睡眠時間の長い子供ほど、記憶や感情に関わる脳の部位「海馬」の体積が大きかったことを、東北大の滝靖之教授らの研究チームが17日までに突き止めた。研究成果は18日から名古屋市で開かれる日本神経科学大会で発表する。
研究チームによると、うつ病や高齢者のアルツハイマー病患者で海馬の体積が小さいことが明らかになっており、滝教授は「子供のころの生活習慣を改善することで健康な脳を築ける可能性がある」としている。
研究チームは平成20年からの4年間、健康な5~18歳の290人の平日の睡眠時間と海馬の体積を調査。睡眠が10時間以上の子供は6時間の子供より、海馬の体積が1割程度大きいことが判明したという。
滝教授は東日本大震災後、宮城県内の被災者の健康状況も調査しており「十分な睡眠を取れずストレスを感じたことが、子供の脳にどう影響を与えるか見ていかなければ」と話した。
(2012.9.17 産経ニュースから転載)